もとは成功した中内氏ダイエーの子会社。しかし、無理なスピードでの成長による従業員教育不足、親会社からの無理な指示による現場の疲弊、その結果によるサービス低下、株価低迷。
と逆境に陥った企業が、ローソンです。業態が変われば、成功の道筋も変わるのでしょう。それでも改革を行い会社を作り直した著書があります。
ローソンの社長として、新浪剛史が就任。中央集権であったコンビニチェーンの経営を地方分権の個を生かすことで改革を行っています。
その手法は、改善として参考になります。本人ではないですが、長年取材を続けてきた池田氏の著書より、いくつか参考としてご紹介します。
☑改善は中央集権でなく地方分権
「本社だけで考えたものって、何かすごく大きいズレが出てくることがある」。そのため、ローソンでは、出店の意思決定、商品戦略、商品開発の一部までも支店に権限を委譲しています。
また加盟店のオーナーにも、複数店舗を持って入れば、本部のようにその販売情報を共有できるシステムも導入。
今までの本部は「お上」になってしまって、「何かうまくいかなくなったら『お上のせいだ』となるし、でも『お上には逆らえない』と。逆らえないと思った途端に、イノベーションだとか改善というものは進まなくなる。」と言われています。
☑「強さ」のために組み替える
ローソンは、成長のためにビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)を推進してきました。BPRは、人についた業務を一度バラバラにして、最も効率的なかたちに再構築することです。
ある社員一人が抱える全業務を100%として、その社員が抱える各業務の内容を棚卸しし、併せてそれぞれの負荷の配分も記入する。「考える仕事」と「ルーティンワーク」に分け、「ルーティンワーク」はアウトソーシングし、社員同士で仕事を再構築し、社員は「考える仕事」に集中できるようにする。
ローソンの「ルーチンワーク」は、賃金の比較的安い中国大連に移管されています。
仕事を棚卸し、標準化することは、やはり改善を行う第一歩なのでしょう。
今日から出来る改善ポイント
業務量を整理して、人についてしまっている業務を組み替えてみてはいかがでしょうか。本当にすべき仕事に集中できます。 |
★BPRの進め方、三菱商事の社長にも「あれだけ勢いのあるヤツはそんなにいなかった」を言わせる新浪氏の生い立ちなど、是非ご興味ある方は、本書をご参考下さい。