改善が上手くいかず、急いで流行りものを取り入れては失敗。断念。もう二度改善はしないと諦めてしまうことはありませんか。

帝国ホテル厨房物語

 

帝国ホテルの専務取締役総料理長にもなり、日本で最初のフレンチの名誉ある賞をもらった村上信夫氏は、若手料理人へこうアドバイスします。「欲を持て」、「急ぐな」。

かくいう村上氏も当初は鍋磨きから始まり、急がず」努力し料理について学びたい「欲をもって」、日本の料理界の発展に貢献しました。村上氏の本から、いくつか参考になるポイントを紹介します。

 

一生懸命にやる人間は評価される

村上氏は、すぐに料理の腕が認めらたので、順風満帆に料理長になったわけではありません

帝国ホテルに入った際は、鍋の洗い場に配属。それでも鍋にこびりついたソースの味を盗もうと躍起になっていたが、自分の目の前に来る鍋は、鍋に洗剤のつけられた状態。

それでも村上氏は焦らず、お昼休みを削ってまで普通は洗わない銅鍋の外側をすべて綺麗にしまた。200個程あった鍋すべてを綺麗にしたことで、周りの先輩シェフからも認められて、料理の味を教えてもらえるようになりました。

無理にでも笑顔を作って一生懸命やる人間を評価する。これは万国、どこの人でも同じだろう」と村上氏は語ります。改善も焦って何でも出来ないよりも、一生懸命行っていれば評価は必ずついてくるでしょう。また、フランス料理では焦って急いで流行を追うよりも、基本を身につけることが大事。流行は繰り返されるから焦らる必要はないそうです。

 

 

☑今ある環境の中で工夫する

 村上氏は、どんな環境であっても工夫して料理することで乗り越えていっています。シベリアで捕虜にされて材料が少なくても作った団子、材料の種類が限られた中でレシピを考える家庭料理の教室、オリンピック等々。

「高い料理なら良い素材をふんだんに使い、そうでない場合には、それなりに工夫して、満足していただけるものにする」

改善でも無理にお金をかけて行うものではありません。出来る限り、今ある素材を生かしてローコストで行えばリスク少なく費用対効果も高くなります。

 

 

☑共用化の始まりは、げんこつ禁止令

昔の厨房は、よく「げんこつが飛んできた」そうだ。村上氏は、料理長になってからは「げんこつはもちろん、怒鳴るのも控えた」。

言葉や態度で教える。そうすると教える本人にも勉強になる。」という姿勢で料理人たち教えていった。そのため、秘伝のレシピも厨房内で共用化されるようになりました。

改善においても、まずは標準を作って共用化することから始まります。標準となれば、それぞれが工夫を出し、より良い方法の改善につながります。

 

 

帝国ホテル厨房物語

今日から出来る改善ポイント


今ある環境でも、工夫して活かす。料理同様に改善も、環境に合わせて工夫して満足させることが大事です。