提案に反対してやる気のなかった人の心を動かし、「あれ、俺がやったんだよ」と最初から賛成していたかのように自慢する「あれオレ詐欺」。改善提案でも反対派の人々を巻き込み、変えていく力があればいいなと思う時はありませんか。
公務員の高野誠鮮氏は上司の反対、農家の反対の声を「行動すること」で変えていきました。そして、JAを通さなくても高く売れるブランド米づくり、無農薬の農産物づくりに成功します。
高野氏の本から、いくつか参考になるポイントを紹介します。
☑会議、企画書よりも行動
高野氏は、過疎高齢化に関して、今まで手は打ってきたはずの行政に対して、「100年間嘆き続けても、会議ばかりを何回開いても、多額のコンサルタント費用…村は何一つ変化しないんです」と今までの行動に繋がっていないことに関して批判してます。
そして自身は行動し、米のブランド化のためにロンギング活動をします。片っ端から、有名人にPRしてもらうために、直筆の手紙を大量に送っています。
また、移住者を増やそうとしたが、「迷惑をかける人の移住」等を恐れ村は反対。まずは移住希望者に会ってみましょうと、行動しながら人々の意見を変えていきました。
☑可能性の無視は最大の悪策
行動するにしても、どこまで行うか。高野氏は、広くとらえて可能性少しでもあれば飛び込んでいっています。むしろ可能性がないと思っても、「やってみたから初めて可能性が出てきた」ということが多いそうです。
米のPRのために送った直接の手紙には、アメリカのAP通信、フランスの通信社AFP、イギリスのロイター通信、ローマ法王、アメリカ大統領、天皇皇后などなど行動の範囲は留りません。以外にも何かしらは返信が来るそうで、最終的にはローマ法王に食してもらい、見事ブランド化に成功しています。
ここまで大きくすれば、周りを巻き込むほど面白くもなるのでしょう。
☑組織の壁をつくらない
高野氏は上司には、すべて事後報告になっています。
過去は、行動していくためには、稟議書、決裁書など、時間がかかり、なかなかうまくいきませんでした。そんな高野氏の行動を広げたのが上司です。「犯罪以外は、全部責任を取る」と言ってくれ、認めてくれました。そんな信頼関係があったからこそできる、行動力です。
今日から出来る改善ポイント
あれこれ失敗を考える前にまずは行動。どうせなら可能性がなくても大きな事をすれば行動も面白くなり、人も巻き込めます。 |
※「中間業者を通さないことによるコスト削減方法」、「自分の体、家族に例えて、スケールを小さくとらえて危機感を生む」など為になる高野氏の経験がまだまだ本書には溢れています。その中の一部を今回取り上げております。