どんな改善提案を出しても封を切る前に500円の報奨金を払う企業があります。その他にも、休日数140日(年末年始20連休)、定年70歳、報告・連絡・相談の「ホウレンソウ」禁止…など普通とは逆の発想でビジネスを行います。
それなのに、1965年以来赤字なし、高い経常利益率(平均15%)を保っています。この一見常識とは外れた発想で経営を行うのは、未来工業という会社の創業者の山田昭男氏。
これはと思う成功のエッセンスを本書からいくつかピックアップしてご紹介します。
☑「そこまで!?」と思う程徹底した差別化
山田氏の発想の源泉に来ているのは、常に「差別化」です。社会人としての基本の報告・連絡・相談の「ホウレンソウ」も「儲かっていない会社と同じことをしない」としてなくしています。
現場が一番知っているのにいちいちホウレンソウするのは時間のムダであるという考えです。確かに一理あります。
他にも就業時間を一般的な8時~17時まででなく少し短い「8時30分~16時45分」などなど、普通ではためらってしまう徹底した差別化を行い、他社と比べて社員にとっても魅力ある職場となっています。常識を疑う視点は、「改善」でも大事な思考です。
☑まずはやってみる
先ほどの差別化もそうですが、普通では躊躇するような経営です。そんな経営はやはり「うちではできない」と考えがちです。そんな会社には山田氏は「実際にやった結果がそうだったのか?」と。
やってみないと分からないはずなのに躊躇してしまいがちですが、失敗すればすぐにやめればいいことです。考えすぎて失敗を恐れるのでなく、改善と同様に「拙速は巧遅に勝る」です。まずはやってみて判断するのが大事です。
☑社長はバカと自覚せよ
なによりも現場が一番ものごとをわかっているので先ほどの「ホウレンソウ」も禁止しています。社員も部下に命令する上司は叱られてしまう程。
社員自身も自由にさせてもらえたから部下にも「まずは任せてみて、考えてもらって、やってもらって」と自分たち自身で考える風土になっています。改善もやはり一番良くわかっている現場の人から出るべきものです。
上から命令する風土では良い改善は生まれません。改善提案に対して目くらで報奨金を渡すのも、この風土と作る一助になっているのでしょう。
今日から出来る改善ポイント
一番良く知っているは現場。 率直な現場の意見を引き出すのが改善の一歩です。 |